全国各地のお祭りで見られる提灯行列。
参加して、街をねり歩いたことがある方もいらっしゃると思います。
すっかり一般的な行事として浸透している提灯行列ですが、一体いつから始まったものでしょうか。
また、何のために行われるのでしょうか。
そして提灯行列はどこでみられるのでしょうか。
そんなことがわかると、提灯行列を見たり、参加するときの意義や気持ちが少し変わってきますよね。
お祭りの季節がやってくるこのとき、せっかくなので調べてみましょう!
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提灯行列の由来は?
提灯行列の由来ですが、コトバンクの世界大百科事典よりお借りしてきました。
ちょうちんぎょうれつ【提灯行列】
戦勝や各種の祝いごとなどの際に,祝意を表するために,たくさんの人々が火をともした提灯を持って,夜間,列を組んで街路をねり歩く行事。1873年に開成学校の教職員が同校のミルレル教頭の誕生日を祝って行ったのが最初であるとされる。ところで,提灯行列の原型は,1860年(万延1)に幕府使節がアメリカのフィラデルフィアを訪れた際に,手に手に花火を持った約3000人の市民が楽隊の演奏にあわせて市中を行進した歓迎行事に由来するという。
戦勝記念や、その他のお祝い事で行われる、ということですね。
1873年が始まりということは、明治になってからですから、比較的新しい習慣です。
これには諸説あります。早稲田大学の論文によると・・・
1885年(明治18年)にドイツの首相ビスマルクの70歳のお祝いで松明を持った、提灯行列の元となった行事に日本からの使節団が参加しているという報道があったとか、
1889年(明治22年)の京都での天長節、つまり天皇誕生日のお祝いに「西洋では松明を持って練り歩くんだけど松明は危ないから提灯にしよう」という提灯行列があったとか、
どこをスタートにするのかは、様々な説があるようです。
提灯行列にはどんな意味があるの?
日露戦争の203高地での勝利で、その知らせが日本に入ってきた時に、市民が街に飛び出して練り歩いた
会津若松市の会津まつりは秩父宮に会津藩の孫娘が嫁いだ時の祝賀の提灯行列がルーツ
などなど、大きなお祝い事の時に行われるんですね。
つまるところ、提灯行列には「とてつもなく大きな祝意を表す」という意味があります。
提灯行列はどこで見られるの?
では提灯行列はどこに行けばみられるのでしょう。
提灯行列をクローズアップしているお祭りを2つ、ご紹介します。
提灯行列というわけではありませんが、日本三大提灯祭りもご紹介します。
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提灯行列が有名なお祭り
京都の祇園祭
今年の祇園祭は7月1日〜31日の1ヶ月間。その中で”お迎え提灯”が7月10日に行われます。
祇園祭の提灯行列は1952年に”再興”されたんだそうです。それ以前は長く途絶えていたのですが、起源は江戸時代に北座・南座の芝居小屋の役者たちが始めたものという説まで遡ることができるそうです。明治時代が始まりって説はどうなっちゃうんでしょう(笑)。
夕方に八坂神社を出発し、市内を提灯が練り歩き、夜にまた八坂神社に戻ってきます。
福島県会津若松市の会津まつり
今年は9月22日に行われます。
会津まつりは、秩父宮雍仁親王と松平容保の孫娘・松平勢津子の結婚を祝った提灯行列がルーツ、とされています。
幕末に天皇VS幕府の戦いがあった中、幕府軍でも中心的な存在であった会津藩主の孫娘と皇族が結婚する、というのは会津の人たちにとって祝わずにはいられないほどの大きな出来事だったのです。
お祭りでは市内16地域の子供たちが中心となり、願い事を込め、鶴ヶ城から神明通りまでを歩きます。
日本三大提灯祭り
提灯行列ではないのですが、三大提灯祭りなんてものが存在するので、せっかくだからご紹介します。
ご近所の方にはきっとおなじみのお祭りなんでしょうね。
二本松提灯祭
福島県二本松市の二本松神社で行われます。
夜空を赤く染める3000もの提灯が圧巻です。
今年の日程は10月4日〜6日。
秋田竿燈祭
秋田県秋田市で行われます。秋田駅西口の竿燈通りが会場です。
幾重にも積み上げられた提灯を稲穂に見立てて練り歩きます。
今年の日程は8月3日〜6日です。
尾張津島天王祭
愛知県津島市の津島神社で行われます。
川辺で行われるお祭りで、船を灯す提灯の美しさに魅了されます。
今年は7月の第4土曜・日曜に行われます。
まとめ
以上、提灯行列について調べてみました。
何とは無しに眺めてましたが、大きな意味があって始まり、それが現在にも繋がっているんですね。
少し、見方が変わりませんか?
今年もあちこちで提灯行列が行われます。是非是非足を運んでくださいね!
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