十五夜っていつのことだかわかりますか?
十五夜は旧暦(太陰暦)の毎月15日の満月の日をさします。つまり十五夜は毎月訪れるんですね。
しかしながら特に十五夜を表す日が「中秋の名月」です。今年は旧暦に当てはめると9月24日がその日に当たります。
十五夜と言えば満月。そして満月に浮かび上がるうさぎ。身近なのになんとなく神秘的な、古来から続く行事です。
今回は十五夜のうさぎの由来や、餅つきのことなど、十五夜に関するあれやこれやを調べていきます。
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十五夜のうさぎの意味や由来は?
十五夜のうさぎの意味は、諸説ありすぎて、もはやどれが本当かわからない状態になっているようです。その中でもインドと中国にルーツをもつ伝説が有名です。インドの「ジャータカ」と中国戦国時代の「楚辞」や後漢時代の「論衡」からの俗説があります。
十五夜のうさぎの物語について
インドのジャータカという物語があります。
こちら、Wikipediaさんからお借りしてきました。
猿、狐、兎の3匹が、山の中で力尽きて倒れているみすぼらしい老人に出逢った。3匹は老人を助けようと考えた。猿は木の実を集め、狐は川から魚を捕り、それぞれ老人に食料として与えた。しかし兎だけは、どんなに苦労しても何も採ってくることができなかった。自分の非力さを嘆いた兎は、何とか老人を助けたいと考えた挙句、猿と狐に頼んで火を焚いてもらい、自らの身を食料として捧げるべく、火の中へ飛び込んだ。その姿を見た老人は、帝釈天としての正体を現し、兎の捨て身の慈悲行を後世まで伝えるため、兎を月へと昇らせた。月に見える兎の姿の周囲に煙状の影が見えるのは、兎が自らの身を焼いた際の煙だという。
ちょっと悲しくなっちゃいますよね。自らを犠牲にした兎が月に上がっていつまでも見えるように・・・嘘でもいいから、信じたくなってしまいます。
日本でも、今昔物語集などにこのエピソードが収録されています。この機会に読んでみてはいかがでしょう?
仏教に関連している?
先に紹介したシャータガのお話は仏教説話からきています。
インド仏教で使われるサンスクリット語では月のことを「兎を持つもの」「兎の印を持つもの」と表現することもあり、仏教に大きく関連しているようですね。また、お経にも月の兎の話が読まれているものもあり、仏教と関連が深いトピックと言えます。
餅つきは中国に関係?
中国では、月の兎は餅つきではなく、不老不死の薬を作っているという神話があります。これまた長いので、引用です。
ニューヨークに本拠を持つ、神韻芸術団の解説ページよりお借りしてきました。
東アジアの文化では、月のウサギは幅広く伝えられています。国によってこのウサギにまつわる伝説は異なりますが、ここでは古代の佛教から伝えられる話をご紹介しましょう。
ある日、天帝は飢えた老人に変装し、猿、カワウソ、ジャッカル、ウサギに物乞いをしました。猿は木から果物を集め、カワウソは川から魚を捕りました。ジャッカルはトカゲと凝乳を盗みました。ウサギは草しか集められません。人間は草を食べないことを知っているウサギは、自分の体を捧げることにしました。老人が焚いていた火に身を投じたのです。でも、ウサギの体は燃えませんでした。突然、老人は本来の天帝の姿に戻り、私心のないウサギの行為に胸を打たれ、このウサギが不老不死の月のウサギになるように月に送り込みました。
このウサギは2014年の演目「妖怪を退治する孫悟空」で神韻デビューします。大きくて邪なガマガエルが三蔵法師を食べようとしますが、孫悟空が救援に入り、ガマガエルはひとっ飛びして月宮殿に隠れます。月ではウサギが臼で薬草をついて不老不死の妙薬を作っていました。
月の女神・嫦娥が現れ、ウサギに引き下がるように命じました。この様子を隠れ見ていたガマガエルは、月のウサギに変身し、負傷した足に霊薬を塗り、武器にするためにウサギの杵を盗みます。武器を持った変身したカエルが容赦なく行動するので、かなりの動揺が起こりますが、幸いなことに孫悟空が化身を見破り、ガマガエルをやり込めます。魔法の杵はウサギの手に戻り、全て元の鞘に収まります。
また、ここに出てくるのはガマガエルですが、ヒキガエル伝説というのも中国には存在しています。
古代中国では月にヒキガエルが存在するという言い伝えがあり、うさぎとヒキガエルが共演している絵があったりするそうです。
「中国 月 うさぎ カエル」などで検索すると、色々出てきますよ。
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海外でもうさぎに見えてるの?
日本では紛うことなく満月の日にうさぎが餅つきをしている絵が見えるのですが、海外ではどうなのでしょうか。
実はかなり違うんです。世界各国の見え方の違いの主なものを挙げていきます!
国・地域ごとの月の模様の違い
日本・韓国:うさぎ
中国:うさぎ、カエル
アラビア半島:吠えるライオン
アメリカ:ワニ
カナダ:バケツを運ぶ女性
ラテンアメリカ:ロバ
北ヨーロッパ:本読みのおばあさん、水を担ぐ男女(
南ヨーロッパ:カニ
東ヨーロッパ:女性の横顔
調べてみるといくらでも出てきます。挙げたらきりがないほどです。国によって見え方が全然違ってくるんですね。
まとめ
十五夜のうさぎの伝説について色々とご紹介して参りました。
調べれば調べるほどの奥が深いです。
月の兎のお話は、インドや日本・中国・韓国と仏教に関連が深い国々では、何かしら共通のものがあります。しかし一方で、中国には独自の神話・伝説が存在したりと、まさに諸説あり、です。
中秋の名月の日に、お団子を食べながら満月を眺めるのも素敵な過ごし方かなと思います。
月までの距離は384400kmだそうです。それだけ遠くにあるはずの月の模様がはっきり見えて、うさぎのように見えてしまう。
そんなロマンチックな満月の夜、うさぎを眺めながら、遥か遠くの月に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
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